ランキング
基本アクティビティ3 「ランキング」-いろいろな選択肢に順位をつける
「ランキング」とは
ランキング(順位付け)は、開発教育の手法として、比較的よく知られており、誰でも簡単に実践できるものの一つだ。
ルールはとても簡単で、「地球の環境を守るためにできること」「途上国の貧困をなくすためにできること」など、ある課題について用意されたいくつかの選択肢を、良いと思うものから順に並べる。その過程で、参加者どうし意見を交換したり、または、個人でやってみた後で、他の参加者と比べながら議論するというものである。
「ランキング」の長所
- 参加者の人数に関係なく(5人でも100人でも)できる。
- 選択肢の設定の仕方しだいで、どんな年代の参加者にも対応できる。大人と子どもが同時に参加することも可能。
- 比較的短時間(20~40分)でできる。
- 特別な道具がいらない。
- 進行役に、とくに高度な技能が要求されない。
「ランキング」の進め方
- ランキング・シートを配る(黒板や模造紙に選択肢を書いてもよい)。
- ランキングの方法を説明し、まず各個人で、自分なりの答え(順位づけ)を書くように指示する(5~10分)。
- 隣の人と(または、答えが出た人から順に相手を見つけて)互いの答えを見せ合い、2人で相談して1つの答えを出す(または、互いに自分の答えの根拠を説明する)ように指示する(10~20分)。
- 数人に答えを聞き、黒板に書き出して、それぞれの意見や根拠を聞く(5分)。
- さらに違った考え方がないか、参加者の自由な意見を求める(5~20分)。
- 必要に応じて、議論の中で出された大事なポイントを確認していく 。
※各選択肢を一つずつ別々のカードに書いておき、それをグループで相談しながら並べるという方法もある。
なお、取り上げようとするテーマについて、参加者の予備知識が少なく、議論が難しいと思われる場合には、ランキングを始める前に、その問題を扱ったビデオやスライドなどを見るなどして、参加者にある程度具体的なイメージを持ってもらった方がよいかもしれない。
進行役の注意
ランキングを行う際に、進行役が注意しなければいけないことがいくつかある。
1.正解(模範解答)はない
「問題」には必ず「正解」があると思っている人は意外に多いものだ。ランキングの問題を前にして「う~ん」と唸っている人に、「正解はないんですよ」と言うと、「えっ、そうなんですか!」とびっくりされることがある。「正解はない」ということを参加者に伝え、自分なりの答えを見つけてもらうことが大切だ。
2.選択肢にはプラスとマイナスがある
同じ選択肢でも、視点や基準の置き方によって、良く思えたり悪く思えたりするものだ。後半の議論の過程で、参加者の意見を引き出しながら、その点を確認する必要がある(ランキングを始める前にそれを言うと、参加者が混乱して考えがまとまらなくなってしまう)。
3.他の選択肢の可能性
与えられた選択肢のほかにも、違った選択肢があるかも知れない。その可能性について話し合ってみることも大切だ。
基本的な11のアクティビティ
1.部屋の四隅 | 2.ブレインストーミング | 3.ランキング | 4.ディベート |
5.フォトランゲージ | 6.シミュレーション | 7.ロールプレイ | 8.プランニング |
9.イメージマップ | 10.タイムライン | 11.ゲーム | みんなの参加 |
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