ロールプレイ
基本アクティビティ7 「ロールプレイ」-自分とちがう立場の人を演じてみる
「ロールプレイ」とは
ロールプレイ(役割演技)というのは、実はかなり広い意味を持っている。しかし、ここでは、開発教育の手法として通常使われている、狭い意味でのロールプレイについて説明したいと思う。
シミュレーションが、ある事象をモデル化し、参加者がそれを擬似的に体験するものであるのに対し、ロールプレイでは、ある特定の(自分と違う)立場の人(場合によっては、動物やモノの場合もある)になったつもりで、ある問題について考え、それを表現するというところに特徴がある。
「ロールプレイ」の進め方のパターン
その1:参加者全員を登場人物の数にグループ分けし、それぞれのグループに配役する。
- 各グループに「役柄カード」を配り、よく読んで、グループ内でその役柄について話し合う。
- 各グループから1人、代表者を出し、グループ内での話し合いの内容に沿って、全員の前でそれぞれの役柄を演じ、意見を言う。
- 合意形成をめざし、全員で話し合う。
- 時間に余裕がある場合は、途中で話し合いを中断して課題を整理し、グループ毎に調査や話し合いを行った上で再開する。
その2:参加者の中から登場人物の数だけ代表を選び、他の参加者の前で演じる。
- 代表者に「役柄カード」を配る。
- 代表者は、「役柄カード」に沿って役柄を演じ、意見を言う。
- 登場人物(演じ手)による話し合いが決裂した状態でストップする。
- 各登場人物はどのような考えだったのか、参加者全員で話し合う。
- 解決策について、全員で話し合う。
ロールプレイのねらい
合意形成や他者受容などの能力を高める
「開発」か「環境」か(ゴルフ場開発と自然保護、ODA事業と地域の環境や住民への影響など)。「ボランティアする側」と「される側」。「親」と「子」…。立場の異なる者どうしの間での合意形成が必要な場面は、いたるところにある。
「YES」「NO」という結論をぶつけ合うだけではなく、「では、どうしたらよいのか」を建設的に話し合うことが求められる。そのためには「YES」「NO」の主張の背景にあるさまざまな立場や考え方を理解しあい、お互いを受け入れなければならない。 ロールプレイは、このような合意形成や他者受容、そのためのコミュニケーションなどの能力を高めるためのトレーニングになる。
ある課題についての理解を深める
与えられた役柄(ロール)を演じ、話し合うためには、その役柄や扱っているテーマについての知識や想像力、情報が必要だ。また、話し合いを通して課題が明確になってくれば、さらに資料集めやインタビューなどを行うことによって、その課題についての理解を一層深めることがでる。
多様な社会集団の関係について理解を深める
ある一つの問題に対して、さまざまな社会集団(企業、行政、市民グループなど)が、多様な立場から関わりを持っている。ロールプレイでは、そのような集団どうしの関係やそれぞれの立場の違いについて、理解を深めることがでる。
基本的な11のアクティビティ
1.部屋の四隅 | 2.ブレインストーミング | 3.ランキング | 4.ディベート |
5.フォトランゲージ | 6.シミュレーション | 7.ロールプレイ | 8.プランニング |
9.イメージマップ | 10.タイムライン | 11.ゲーム | みんなの参加 |
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