DEAR 開発教育協会

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「SDGs実施指針(改訂版)骨子に対するパブリック・コメント」を出そう!

締切は11月25日(月)

2030年までに世界で取り組む共通の目標として掲げられた持続可能な開発目標(SDGs)に関して、政府内に設置されたSDGs推進本部から、日本国内における「SDGs実施指針(改訂版)」骨子に対するパブリック・コメント(通称、パブコメ)の募集が行われています。

今回、パブリック・コメント等で集められた意見は、今後作成される指針に影響を与えます。できるだけ多くの市民の意見を届けることが大変重要です。また、パブリック・コメントを送ることは、政策決定過程への市民参加の1つの方法です。

みなさんも、ぜひ、パブリック・コメントに意見を出して、政策決定過程に参加するとともに、多くの市民が注目していることを示しましょう!

DEARから4つのコメント

1.教育課題を優先課題にしてください

SDGs実施指針の「現状の評価」においては、日本のSDG4は達成されていると書かれていますが、実際には、包摂性という点から、日本の教育には問題があります

文部科学省の調査では、日本に暮らす外国人の子どもの約6人に一人が学校に通っていません。[i]また、学校でのいじめや不登校の数は、深刻化しています。さらに経済的な理由で高校進学などをあきらめる子どもたちもいます。また、学習の場は学校だけではありません。社会教育や生涯学習の重要性も明記し、だれもが、安全に安心して質の高い教育を受けるための環境をつくるために、SDGs実施指針の優先課題として「教育」を位置づけてください。


[i]文部科学省(2019b)「外国人の子供の教育の更なる充実に向けた就学状況等調査の実施及び調査結果(速報値)について」http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421568.htm(2019年11月18日最終閲覧)

2.ESDの主流化のための政策・制度・予算について強化してください

ESDがすべての目標の達成に貢献する枠組みであることが記載されていることを歓迎します。ESDの推進主体はユネスコスクールだけではなく、各地域の社会教育機関が、高等教育機関や市民団体と連携し、ESD実践において大きく貢献しています。また、グローバル指標ではESDを含むSDG4.7の主流化を目指しているので、その文言を加筆してください

また、グローバル指標ではESDを含むSDG4.7の主流化を目指しているので、「ESDを含むSDG4.7が教育政策、カリキュラム、教師の教育、および達成度評価において、すべての教育段階において、主流化されるように、政策・制度・予算を充実させる」という文言を加えてください。

3.多くの市民が参画するためにも、SDGs実施指針に実施計画と指標を明記してください。

「これまでの取り組み」では、「SDGsアクションプラン」を策定し、日本の「SDGsモデル」を拡大してきたことが述べられていますが、このアクションプランと「SDGs実施指針」との関係が不明瞭です。

実施指針を元に、各政府機関で具体的にどのような計画が立てられ、どのように実施・評価されるのかが分からなければ、市民から具体的な提案ができません。より多くの市民の参画を求めるのであれば、この二つの関係を明らかにし、前回のように「SDGs実施指針」に、各政府機関の実施計画と指標を明記してください

4.課題がある5(ジェンダー)、10(不平等)を優先課題に挙げてください。

「現状の評価」では、日本はSDG5(ジェンダー)、SDG1(貧困)、SDG10(不平等)等の取り組みに課題があると評価されていますが、現在、優先課題とアクションプランには上記のことが入っていません。「ジェンダー平等の推進と実現」と「国内の経済格差、不平等の是正・解消」を優先課題に掲げ、アクションプランの作成を強く望みます。

DEARが提出したパブコメ

ご自身でパブコメを書く際の参考にしてください。
もしも「賛成!」と思う箇所があればその部分をご利用ください。

パブコメの書き方

  • 項目ごとに、具体的に、どの部分に対する意見かを明確に示しましょう。
  • コピーではなく、自分自身の言葉で書きましょう。
  • 非難するより、提案として書きましょう。
  • 改善すべきところだけでなく、よいところも指摘し、それを現状から後退させないようにしましょう。

便利!SDGsジャパンのパブコメ・ガイド

DEARも参加する SDGs市民社会ネットワーク (SDGsジャパン)が、新しい「SDGs実施指針」に対するパブリックコメントの提出の仕方を分かりやすく紹介しています。詳細はこちらからどうぞ。

パブコメの出し方

以下のいずれかの方法で送ることができます。
個人でも、団体でも、どなたでも送ることができます。

(1)電子政府の総合窓口(e-Gov)の意見提出フォームを利用する。
https://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=350000169&Mode=0
下方のボタン「意見提出フォームへ」をクリックし、必要事項を記入。1回に送信できる意見は2000字までです。

(2)外務省に直接電子メールを送る。
件名を「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針の骨子パブリックコメント」と明記の上、sdgs.secretariat@mofa.go.jpまで送ります。

(3)外務省にファクスを送る。
Fax:03-5501-8452
外務省国際協力局地球規模課題総括課 持続可能な開発目標(SDGs)実 施指針担当宛

(4)郵送で送る。
〒100-8919 東京都千代田区霞が関 2-2-1
外務省国際協力局地球規模課題総括課
持続可能な開発目標(SDGs)実施指針担当宛