知らないからこそ話し合おう!裁判員裁判・死刑制度
概要
話し合いを通して 自分自身の考えを身につけることを目指すワークショップ教材
- 編集・発行元:NPO法人監獄人権センター、CrimeInfo
- 協力:開発教育協会(DEAR)
- 助成:ラッシュジャパン「LUSHチャリティバンク助成」/欧州委員会(EU)
- 頒価:無料
- 頒布形態:PDF(ダウンロード)版、冊子版 A4版28頁
ねらい
この教材では、『諸外国の状況を含めた「死刑」の現状について知る』、『一般の市民がさまざまな有識者の意見を聞いたうえで議論に取り組む様子を映像で見る』、『裁判員裁判に参加した人たちの心情を知る』といった過程を通して、ワークを体験した皆さんが、「死刑」に対する自分自身の考えを身につけることを目指します。
死刑に「賛成」か「反対」かだけでなく、人の”命”と“尊厳”に対する皆さんの思いについても、話し合って下さることを願います。
教材の構成
- 本教材には4つのグループワークが収められています。
- それぞれ、単体でも使えるようになっていますが、できるだけワーク1をはじめに、ワーク4を最後に行うようにしてください。
- 対象者や所要時間、ねらいに沿って、自由に組み合わせて活用してください。
もくじ
- 使い方・すすめ方
- 用語解説(刑事裁判・民事裁判・刑罰)
- ワーク1.クイズ「死刑について知るためのヒント」
- ワーク2.映像で考える「望むのは死刑ですか?」
- ワーク3.自分だったら?「裁判員の声を通して考える」
- ワーク4.学んだことの整理
教材の入手方法
CrimeInfoのウェブサイトからダウンロードしてください。
- CrimeInfoの教材ページ
※映像教材「望むのは死刑ですか 考え悩む“世論”」(29分版)はCrimeInfoのウェブサイト(https://crimeinfo.jp/seek-the-death-penalty/) より、動画の概要と利用規約をお読みいただいた上で視聴申請を行って下さい。パスワードの発行には数日~1週間ほどかかる場合がありますので、ご注意ください。動画の視聴は無料です。動画を視聴するためには、インターネット環境が必要です。
ワークショップ参加者の声
2019年2月23日/DEAR主催フォーラムにて
- 人権を考えるにあたって死刑制度のあり方を素材にするのはとても効果的なものだと思いました。考えれば考えるほどわからなくなってしまうのが、死刑制度の本音だと感じました。
- こういうワークショップに来られる方の中にも死刑制度賛成の方がおられることに少しびっくりしました。でも、それを言える雰囲気があるのはいい学びの場ですね。教材はぜひ活用してみたいです。
- 自分と異なる意見も聞けて考えさせられました。映像をみても、話し合いをしても、結論はでませんでしたが、これから新聞等で裁判・死刑の文字を見かけるたびに考えると思います。
- はじまってみると、時間がとても短く感じられ、もっと長く・もっとたくさんの人の意見を直接聞いてみたかったという思いになった。毎日というわけにはいきませんが、今後も死刑というものについて考えたいと思います。
- 人権について考える機会がこれまで(教員になるまで)少なく、授業を行う際にこちらが戸惑うことがあります。やはり教材研究はしっかりやらないといけないんだと反省しました。今後、死刑・裁判員生徒について生徒と考え行きたいです。
実践レポート
大学生、教員、一般の方を対象にしたお試しワークショップの様子(2018年5月)
https://dearstaff.blogspot.com/2018/05/blog-post_28.html
制作者よりメッセージ
裁判員裁判で、一般市民が裁判員として「死刑判決」に関わる様子がたびたび報道されています。「死刑」について、皆さんはどう思いますか?
日本において死刑は、殺人などの重大な罪を犯した加害者に科せられる、最も重い刑罰です。内閣府の世論調査では、死刑制度に「賛成する」と答えた日本国民の割合は、近年では80%を超えています。日本では、おおむね毎年複数の死刑確定者に対して、死刑が執行されています。しかし、どこで?どんな方法で?誰が執行するの?といった具体的な情報は、一般的にはあまり知られていません。一方、諸外国の状況を見てみると、死刑の執行を行う国は徐々に減少しています。
日本では長らく、人の死を刑罰とする「死刑」について語り合うことが避けられる傾向にありました。しかし、裁判員制度の導入によって、刑事裁判に参加する可能性がある一般の市民のあいだでも、死刑制度について考える機会の重要性が高まっています。
この教材では、『諸外国の状況を含めた「死刑」の現状について知る』、『一般の市民がさまざまな有識者の意見を聞いたうえで議論に取り組む様子を映像で見る』、『裁判員裁判に参加した人たちの心情を知る』といった過程を通して、ワークを体験した皆さんが、「死刑」に対する自分自身の考えを身につけることを目指します。
死刑に「賛成」か「反対」かだけでなく、人の”命”と“尊厳”に対する皆さんの思いについても、話し合って下さることを願います。
著作権について
教材の著作権は、監獄人権センター・ClimeInfoに帰属します。著作権法上の例外を除いて、教材等の全部または一部を無断で複製したり、転載・引用することはできません。