DEAR 開発教育協会

教材 tags # 中学生以上

18歳選挙権と市民教育ハンドブック[補訂版]割引キャンペーン

2022年4月より成人年齢が18歳に。教育現場でより一層、市民教育に取り組んでほしいという思いから、キャンペーン価格にて販売することになりました。(2022年6月1日)

一般価格¥2,200(税込)→¥1,650(税込) 25%割引!
会員価格¥1,760(税込)→¥1,650(税込) 100円割引!

※図書館価格は変更ありません。

概要

中学・高校・大学の授業に、市民活動や学習会に!

  • 発行:開発教育協会
  • 編集協力:上智大学総合人間科学部教育学科
  • 2017.12補訂版(初版2016.2)、A4判104頁
  • 価格:¥1,500(税込¥1,650)※一般¥2,000/会員¥1,600からの割引
  • 図書館価格:¥4,000(税込¥4,400)
  • 対象:中学生以上
  • 執筆者:近藤牧子(大学講師)、田中治彦(上智大学)、南部義典(元慶應義塾大学大学院)、西あい(開発教育協会)、林大介(模擬選挙推進ネットワーク)、藤原孝章(同志社女子大学)、松倉紗野香(埼玉県上尾市立東中学校)

2016年7月の参議院選挙より18歳以上の者が投票できることになりました。

本書は、従来の知識中心の公民教育や、選挙での投票に特化した主権者教育ではなく、若者たちが一市民として社会や世界の課題に関わっていけるような市民性を身につけることをめざした市民教育を実践するための、参加型学習の手引書です。

ねらい

2015年6月の公職選挙法の改正により、2016年7月の参議院選挙より18歳以上の者が投票できることとなった。18歳という年齢は高校3年生に相当するために、とりわけ高校教育における主権者教育が急務となり、文科省・総務省より主権者教育実施のための副教材と指導資料が公表された。※

本書は、従来の知識中心の公民教育や選挙での投票に特化した主権者教育ではなく、若者たちが一市民として社会や世界の課題に関わっていけるような市民性を身につけることを目指した市民教育を実践するための手引き書である。そのため、本書は以下のような特色をもっている。

  1. 中学、高校レベルの公民教育は受験科目にもなっていて知識中心であった。本書では、若者が積極的に社会参加できるように知識、スキル、態度のバランスがとれた市民教育のプログラムを提案する。
  2. 従来の公民教育が知識中心であったため、社会の課題を「自分事」として捉えることが難しかった。本書では、社会や世界の出来事を自分の問題として引きつけて考えるための参加型の学びを採用している。
  3. グローバル化社会のなかで、外国籍の人々も含めた市民教育のあり方を提案する。選挙権がある日本国籍の子ども・若者のみを対象とするのではなく、日本人も外国人もともに日本の住民として、よりよい地域社会、日本、世界を築くための市民教育を模索する。
  4. 民主主義の基本として、自分の意見を表明するとともに、他人の意見も尊重することができる市民の育成をめざす。同時に、常に議論の場には権力関係や個人の性格の違いがあり、発言できない「弱い」立場に置かれた人が必ず存在する。しかし、発言しないからといって意見がないわけではない。「声なき声」に耳を傾け、多様な意見を引き出すための参加型学習を採用する。

※総務省・文部科学省『私たちが拓く日本の未来』(生徒用副教材・教師用指導資料)、2015年
http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/senkyo/senkyo_nenrei/01.html

メディア掲載

日本教育新聞(2016年11月28日付)の書評欄で紹介されました!

学校現場に向け実践を例示-
「(抜粋)本書は、理論と実践の2部構成のA4判で、ワークシートも多く、授業デザインのイメージがつかみやすい構成になっている。平易でありながらも専門性が背景にあるため、実践編では学校現場の喫緊の課題となっているテーマを巧みに可視化している。即、授業に活用できるハンドブックである。例示だけ見ても、ほとんどの教師が『自分でもやれそうだ。面白い』と感じるだろう。私なら自校の実態に合わせて教員研修で実施し、まずは職員のスキルを高めたいと思う。それは、学校現場の戸惑いをなんとか払しょくしたいとの著者たちの思いが伝わってくるからである」
(大久保俊輝・文教大学非常勤講師)

もくじ

※印の箇所は補訂版(2017.12)でリニューアルしました。

第1部 理論編

1章 18歳選挙権と市民教育の課題
2章 市民教育のねらいと実際
3章 18歳選挙権・18歳成人の法律論
4章 政治的中立性に関する一考察─模擬選挙の経験から
5章 市民教育の実際-「グローバルシティズンシップ科」の実践 ※
コラム 成人式について ※

第2部 実践編

Part1 参加型学習の場づくりとアイス・ブレーキング
1.進行役(ファシリテーター)の役割と心構え
2.場づくり
3.アイス・ブレーキング

Part2 個人と社会…
ワーク1 「わたし」と社会 ─親密圏と公共圏
ワーク2 「おとな」になるってどういうこと
ワーク3 20年後の自分と社会

Part3 学校と参加
ワーク4 参加のはしご
ワーク5 「決め方」を決める
ワーク6 生徒会活動を考えよう

Part4 地域の課題
ワーク7 地域にあるお仕事
ワーク8 私たちのまちづくり
ワーク9 アクション・リサーチ

Part5 国と選挙
ワーク10 模擬選挙をやってみよう ※
ワーク11 わたしのことばで日本国憲法
ワーク12 日本代表チームをつくろう!

Part6 グローバル化社会
ワーク13 世界がもし100人の村だったら
ワーク14 もし地球の気温が2度上がったら
ワーク15 来る外国人・住む外国人

Part7 メディア・リテラシー
ワーク16 メディアへの向き合いかた
ワーク17 「事実」を読み解く
ワーク18 メディアの価値判断を理解しよう

実践レポート

中高生と5回連続ワークショップ!「選挙を先取り体験」(2021年6月)

ワーク2「おとな」になるってどういうこと、ワーク4「参加のはしご」、ワーク10「模擬選挙をやってみよう!」等を使った5回連続ワークショップのレポートです。生徒の変容と感想をご紹介しています。
http://dearstaff.blogspot.com/2021/06/nsn5.html

ご注文方法

  • DEARの本は直販のみです。書店などには置いておりませんので(取次を通していません)、 DEARまでウェブ、ファクス、お電話にて直接ご注文ください。 詳しくはこちらのページをご参照ください。
  • DEAR事務所(東京都文京区)で直接ご購入いただくことも可能です。来所の際は事前にご連絡ください。
  • 教材総合カタログ(ヒルマ/スクラボ/PLUS)で一部の教材をご注文いただけます。詳しくはこちらのページをご参照ください。

本書の使い方

本書は2部構成となっている。第1部は理論編である。 「1章 18歳選挙権と市民教育の課題」「2章 市民教育のねらいと実際」の2本の論文によって、市民教育の理念と現場で実践する際の原則について論じている。「3章 18歳選挙権・18歳成人の法律論」においては、18歳選挙権と18歳成人についての法律上の解釈と今後の課題について解説する。市民教育、政治教育の一つの実践として模擬選挙がある。4章では「政治的中立性に関する一考察」として、主権者意識を育むための教育における「政治的中立性」について、筆者の模擬選挙の経験から論ずる。

第2部は実践編であり、具体的な教材や実践例が紹介される。「Part1 参加型学習の場づくりとアイス・ブレーキング」において、参加型学習の進行役であるファシリテーターの役割と心構えを解説する。そして、場づくりのためのいくつかのワークショップを紹介する。

Part2から6では、若者が社会と出会う場面ごとに、参加型の市民教育の教材と実例を解説している。「Part2 個人と社会」においては、自分と社会とのつながり、大人になることの意義、自分の未来、についての3つのワークを紹介する。「Part3 学校と参加」においては、「参加のはしご」モデルや生徒会活動について理解するなかで、学校における生徒・学生の参加の課題を取り上げる。学校は、子ども・若者が日常的に生活する場であり、民主主義を学習する場として非常に重要である。

「Part4 地域の課題」においては、地域における課題の発見と解決に関する3つのワークを提示した。地域にある仕事、まちづくりに関するワークの後に、地域課題の発見・解決の手法としてのアクション・リサーチをここで学ぶ。「Part5 国と選挙」では、模擬選挙、日本国憲法、「日本」に関する3つのワークを扱う。模擬選挙は、主権者教育の一つの実践として現在注目されている活動である。次に、日本国憲法を自分のことばで語り直すことによって、より理解を深め課題を考える。「日本代表チームをつくろう!」では、サッカーのナショナル・チームを選出する中で「国籍」や「民族」について考察する。

「Part6 グローバル化社会」においては、従来の開発教育において定評があった3つのワークを紹介する。「100人村」ワークショップでは、現在の地球社会における人口、言語、識字、貧富の格差、などを学習する。さらに、「地球温暖化」と「移民」というグローバルな課題をこのPartにおいて学ぶ。「Part7 メディア・リテラシー」では、メディアを読み解く力を高めるための3つのワークを扱った。私たちの日々の情報はメディアによることが大きく、メディア・リテラシーは市民教育の大きなテーマである。

対象としては、中学生から大学生までを想定している。Partによって、想定している年齢層が若干異なっているが、いずれの教材もすべての年齢層に適応可能である。現場において用語などを適宜修正してご活用いただきたい。

教材の著作権について

  • 教材・書籍等の著作権は開発教育協会に帰属します。著作権法上の例外を除いて、教材・書籍等の全部または一部を無断で複製したり、転写・引用・入力などしないでください。
    ※著作物が自由に使える場合(文化庁)http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html
  • ワークシート等の複写による利用は、学術的な調査研究、「非営利」の教育・学習活動に限ります。例えば、学校の先生が、授業で使うためにコピーを作って児童や生徒に配布することは「著作権法上の例外」なので、問題ありません。
  • 教材・書籍等を利用して、非営利目的の講義や参加型学習プログラムを実施する際には、事前の広報資料や当日の配付資料、事後のレポート等に、使用する著作物の著作権者が当会であることを明示してください。印刷物やウェブページには、例えば、「当研修/講座で使用する教材/テキストは、開発教育協会(DEAR)発行の教材です。詳細はhttp://www.dear.or.jp/を参照してください。」等の表記をしてください。