DEAR 開発教育協会

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岡山市の市民講座でフードロスを考えるワークショップ(2013年12月)

「地球の食卓」をつかったアクティビティ
  • 実施日: 2013年12月18日(水)120分
  • 主催者: 岡山市、廃棄物工学研究所
    ※H25年度「岡山市食品ロス削減のための生ごみ組成調査及び普及啓発事業」
  • テーマ: フードロス(食品ロス)※
  • ねらい: 
    (1) 日本の食卓を他国の食卓と比べることで、日本のライフスタイルの特徴を視覚的に理解する。
    (2) 食品ロスに加え、食品製造・流通においてもエネルギー資源を過剰に消費していることを知る。
    (3) 日本人の暮らしは世界から大量の食料(=資源)を買って捨てていることを意味することを知る。
    (4) 食材・食品から出るごみを減らすためにできることを、共感的に、また、参加者の知恵を持ちよりながら考える。
  • 参加者: 「岡山市食品ロス削減のための生ごみ組成調査」に参加した市民約60名
  • ファシリテーター: 八木亜紀子(DEAR)
  • 使用教材:「写真で学ぼう!「地球の食卓」学習プラン10」(開発教育協会)
    (使用する写真:ドイツ、トルコ、エクアドル、日本)
※フードロス(食品ロス)とは、まだ食べられるのに捨てられている食べ物のこと。日本では年間500万トン~800万トンにものぼります。
「地球の食卓」をつかったアクティビティ

グループ内で自己紹介

6人程度の小グループに分かれて座り、参加者同士で自己紹介をした。
(1)名前(ニックネーム)
(2)いまやっていること
(3)食品ロス計量調査をやって「びっくりしたこと」や「意外だったこと」「発見」したこと
※参加者は事前に家庭で1週間にわたる「食品ロス計量調査」を実施してきている。

「地球の食卓」をつかったアクティビティ

世界の食卓クイズ(フォトランゲージ)

  • ドイツ、トルコ、エクアドルの食卓のいずれかの写真をグループに1枚ずつ配り、よく観察し、家族がどの国・地域に住んでいるか推測する。食卓、食材の特徴(どうやって保存しているか、調理しているか、どこで購入しているか)にも注目するよう助言する。
  • グループ毎に出た意見を全体に発表する。全グループに3種類の写真全てを配布する。

【参加者の様子】ふだん、他の家族の、外国の食卓の写真を見る機会はないため、どのグループもとても熱心に写真を見ていた。また、食材や料理に関心の高い参加者が多かったため「この食材はどうやって食べるのだろう」「どんな料理ができるのか?どんな味?」など、想像力豊かに写真を読み込んでいた。

世界の食卓(フォトランゲージ)

  • 各グループに日本の食卓の写真を配付し、他の国の食卓と違うところ、特徴的なことを見つけ、発表する。

【参加者の様子】日本の写真を配ったとたん、どよめきが起こった(あまりにも他の国の食卓と異なるため?)。食品の種類が多い、魚が多い、加工食品が多い、調味料が多い、包装が過剰、スーパーで買い物している、などたくさんの意見が出た。

食料の製造・流通・加工を含む、日本のライフスタイルを維持するためにかかるエネルギー

  • 「日本の写真の季節はいつでしょう?」と問いかけ、すべての季節の食材が並んでいることに注目する。
  • 続いて「なぜ、あらゆる季節の食材があると思いますか?」と問いかける。参加者からは「輸入しているから」「ハウス栽培をしているから」といった意見が出る。
  • 季節を問わず手に入る野菜の栽培には、多くのエネルギーが消費されていることを説明する。
    [参考資料]きゅうり1kgあたりの生産投入エネルギー量の内訳(全国地球温暖化防止活動推進センター)を紹介
  • 「エネルギーをたくさん使っている食卓(家庭)だなと思う順番」に4枚の写真を並べ替えてみる(ランキング)。
  • [参考資料]World Mapperより「Fuel Use」の地図を参照(World Mapper)

【参加者の様子】多くのグループが日本の写真を「エネルギーをたくさん使っている」と並び変えた。食材だけでなく、家電製品や調理方法、ライフスタイルについても想像して意見を出し合っていた。

「ごみ」と「フードロス」ランキング

  • ランキング1「ごみがたくさん出ると思う順番」に4枚の写真を並べ替えてみる(ランキング)。
  • 包装は石油や木材、食品は天然資源や命。世界から大量の食料(=資源)を買って捨てていることに気づく。また、ゴミを処分するにもエネルギーが必要なことを説明する。
  • ランキング2「フードロスがたくさん出ると思う順番」に4枚の写真を並べ替えてみる(ランキング)。

【参加者の様子】多くのグループが日本の写真を「ごみがたくさん出る」「フードロスが出る」と並び変えていた。

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「フードロス」が出る理由分析&削減のためのアクションプランづくり

ウェビング「フードロスが出る理由」

ウェビング「フードロスが出る理由」

  • 各グループの机の中央に模造紙を置き、中央にマーカーで大きく「食品ロスが出る理由」と書く。
  • そこから連想することや、キーワードを言いながら、周辺に書き加える。グループ内の全員がマーカーを持ち、誰からでも、どこからでも書きだして構わない。
  • 書き加えられた言葉からさらに連想することを、つぎつぎに言いながら周辺に書きくわえて線でつないでいく。この作業をくりかえし、キーワードをウェブ状に広げていく。

アクションプランづくり

ウェビング「フードロスが出る理由」
  • 書きだされた「食品ロスが出る理由」にまつわるキーワードを見渡し、その原因に対して「取り組めそうなこと」「できそうなこと」を付箋に書き、該当するキーワードの近くに貼る。
  • グループ内の誰からでも、どこからでも書きだして構わない。この作業をくりかえす。
  • [補足]フードバンク岡山の活動に関わっている方から、食べきれない食材をフードバンクに寄付をすることで、フードロスを減らすことできるとのお話があった。

全体共有(ポスターセッション)

  • ほかのグループがどのような結果になったのか、参加者は会場内を自由に回って、各グループの模造紙を見て回る。グループの全員が同時に移動しなくてもよい。この時、各グループで1名はグループ内に残り、ほかのグループから来た人からの質問に答えたり、説明をしたりする。
  • ほぼ全体を見て回ったら、元にグループに戻り着席する。ほかのグループとの共有点や異なる点、全体に特徴的だったこと、新しく気が付いた点などをグループ内で話し合い、共有する。

ふりかえり

  • ワークショップ全体と通じて、食品ロスを減らすために「これは実際にやってみよう・やってみたい」と思ったことを1つ選び、付箋に書く。
  • ワークショップ終了後、参加者は部屋の前にあるホワイトボード(または模造紙)に、書いた付箋紙を貼って退出する。参加者は自由に残って、ほかの参加者が「これは実際にやってみよう・やってみたい」と思ったことを読めるようにする。
ふりかえり ふりかえり
  • 安価と言うだけで食品のまとめ買いはやめる。
  • 頂いたもの(中元・お歳暮)を大事にしすぎず、すぐ食べる。
  • 外食を控える(食べられるものが家にあるのに)
  • 賞味期限が近いものを時々買ってロスを減らす。
  • スーパーへ行くときは空腹をさけていこうと思います。
  • 調理のレパートリーを増やし食材のロスを減らしていく。
  • なるべく地元の物を使ったりしたい。
  • 買い過ぎない。無駄なものは買わない。必要な物だけを買う(食べきる量を考える)。

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参加者の感想

日本での加工食品が多いのにびっくりしました。調味料などの種類の多さ。シーズンに関係なく食品が店頭に並んでいる。調理方法を工夫したいと思いました。

日本の食料品に係るエネルギーの多さに驚きました。自分が食品ロスにしてしまっているもの(野菜の皮など)も土に返せばゴミにならないという事も分かりました。ごみ処理にも多くのエネルギーを使っていることに気付いたので、これからは気を付けたいと思います。

フードマイレージがこんなに日本が高いとは思わなかった。確かに冬にきゅうりが食べられることにエネルギーがかかっているなんてとショックでした。

無駄に買いすぎていたことに気が付いた。安さに惑わされず、必要な時に必要な物を必要なだけ買うようにしたい。

食品ロスを減らすためにいろいろな意見が聞けて良かったです。これをふまえて2回目の生ごみの計量を頑張ろうと思いました。

食品ロス800万トンに驚きました。もっと内容を知りたいと思いました。余分な物は買わない、作らない。パッケージに騙されずちゃんと見てから買物をしたい。

(報告:八木亜紀子/DEAR)

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