DEAR 開発教育協会

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震災からはじまる学び

岡山|高校|地球の未来・表現・小論文・学校設定科目「地球の未来」

実践者 岡山市立岡山後楽館高等学校 三宅典子先生
科目 直接取り扱った授業:「地球の未来Ⅰ」「地球の未来Ⅱ」「小論文」
今後取り扱うことを検討している授業:「表現」
原発事故と関連付けて教材を選んだ授業:「現代文」
※「地球の未来Ⅰ」「地球の未来Ⅱ」「小論文」「表現」は本校の学校設定科目です
日時 2011年4月~7月
テーマ ボランティア  エネルギー・原発  メディア  地震・災害 

「地球の未来Ⅱ」

対象:高校3年次13名(「地球の未来Ⅰ」を修得した生徒)
単位:1講座 100分授業 2単位

回数 テーマ 内容 教材
1 オリエンテーション オリエンテーション・コミュニケーションゲーム --
2 東日本大震災1 ・意見交換「東日本大震災…思ったこと」約1時間
・パワーポイント「写真で見る東日本大震災」
・「10の幸福、10の喪失」
→自分の幸福に必要なものを10カードに書き、1枚ずつ破っていく
生徒の感想を読む
インターネット
新聞
雑誌等の写真
3 東日本大震災2 ・被災者の声を読んで、気づいたこと、考えたことを発表する。
・「NHKスペシャル 東日本大震災」(3/30放送・第2部)視聴
・朝日新聞
「いま伝えたい
被災者の声」
・VTR
4 東日本大震災3 ・ブレーンストーミング「私は避難所にいる被災者・必要なものは?」
・そして、避難所にいる人々、障碍を持った人、お年寄り、外国人、
 妊娠した人、小さな子供…そういう人に必要なものは?
・東日本大震災での障碍を持った人の状況を知る。
生徒の感想を読む
・手作りカード


・NHK
福祉ネットワーク
5 震災の中の人 ・海外メディアの伝えた東日本大震災
・「ガイアの夜明け」(3/29放送)
 ライフラインを守れ!~震災支援19日間の総力戦 視聴
・支援した人が心動かされたこと
・意見交換「震災の中の人々の姿で一番印象に残ったこと」
・ブレーンストーミング「『人として大切なこと』」は何か」
出されたものの中から5つ選んで発表
・VTR
・VTR



・インターネットや
新聞等の記事5つ
6 レポート作成 ふりかえり --
7 原発事故1 ※この日は中等部3年生8名を交えた授業だった
・四分割自己紹介
・意見交換「原発事故」について知っていること
・パワーポイント「福島原発事故」
・シミュレーション「あなたなら避難するかしないか」
 (1)避難しにくい理由
 (2)決断
 (3)プレゼンテーション
・補足説明
生徒の感想を読む
インターネット
新聞
雑誌等の写真や
記事をもとに作成


手作りカード
8 原発事故2 ETV特集 ネットワークでつくる原発汚染地図」視聴
生徒の感想を読む
VTR
9 エネルギー問題1 ・原発反対パレード メッセージ読み聞かせ
・エネルギーとは
・ブレーンストーミング「エネルギーがなくなるとできなくなること」
・プレゼンテーション
「化石燃料(火力発電)・原子力発電・自然エネルギー(水力・風力・
太陽光・バイオ マス)のメリット・デメリット」
広島での
うのさえこさんの
メッセージ
10 エネルギー問題2
地球温暖化
・プレゼンテーション「温暖化 原因と結果」
・紙芝居「サンタの見た地球」
・部屋の四隅「温暖化に関するクイズ」5題
・パワーポイント.「温暖化資料」
昨年度の生徒が
作成した
温暖化に関する
紙芝居
11 エネルギー問題3 ・サイコロトーキング「温暖化」
・温暖化の原因を考える
 「どこでCO2がでているか~タネから私たちの口まで~」
・NHK「地球データマップ 温暖化する地球」視聴
・温暖化の結果何が起きるか「ペンタゴンレポート」
・プレゼンテーション「小型原子炉 自宅近辺に埋めさせるか否か」
・フリートーキング「エネルギー問題」
手づくり教材


VTR


12 エネルギー問題4
ミニレポート作成
・NHK「大人のドリル エネルギー問題」視聴
・ふりかえり
生徒の感想を読む
VTR

ディベートの様子

「地球の未来Ⅰ」

対象:高校2~3年次35名×2講座
単位:1講座 100分授業 2単位
「地球の未来Ⅱ」の内容を少しやさしくし、アイスブレーキングの部分を増やして実施。

「小論文」

対象:高校3年次22名
単位:1講座 100分授業 2単位

回数 テーマ 内容
1 オリエンテーション ・小論文についての概論
・ブレーンストーミング「東日本大震災」
→ウェビング
→東日本大震災について調べてくることの分担
2 発表1 ・調べてきたことの発表とその批評
・講評
3 発表2 ・調べてきたことの発表とその批評
・講評
【宿題】「東日本大震災がもたらしたもの」600字
4 発表3
発表のまとめ
・調べてきたことの発表とその批評
・講評
・4グループに分かれて宿題の「東日本大震災がもたらしたもの」を相互批評
【宿題】相互批評と教員の批評をもとに書き直し
5 ディベート1 ・ディベートとは
・VTR「ディベート甲子園決勝戦」視聴
・マイクロディベート「後楽館に制服を作る」「携帯電話の持込を禁止する」
・【宿題】ディベートのための調べもの:題「原子力発電を廃止する 是か非か」
6 ディベート2 ・ディベート準備
・ディベート2グループ
・講評
7 ディベート3 ・ディベート2グループ+ドリームチーム対戦
・講評
・【宿題】「原子力発電を廃止する 是か非か」600字
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生徒の感想

人として大切なもの

1. 「10の幸福、10の喪失」について

  • 大切なものを10個書いて順番に破っていく活動はほんとうにそのものがなくなるわけではないのに、本当に家族や友達がなくなってしまいそうで、すごく悲しい気持ちになった。でも、日本では今現在実際に現実でおこっていることなんだと思うと人事とは思えないし、今自分のおかれている環境がどれだけぜいたくで幸せに暮らしているのかと改めて実感した。
  • 段々幸せがなくなること、ふり返ると一度に幸せがなくなった喪失感。今こうして、授業でやっていることが実際に起こっているとなると色々考えさせられる。人の価値観でそれぞれのとる行動は違うが、皆きっと幸せを取り戻すために色んな行動をとっていると思う。とにかく今日は「幸せ」について考えた。「普段の何気ない生活が幸せ」ということを再認識させられた。もし自分がこうだったら…と、周りを見ることによって初めて自分の状況を見直すことができた。しかし、被災者にしてあげられることは少ない。なので、少しでもその人たちのことと自分のことを考え、他人事や「自分じゃなくてよかった」と済まさないようにしたい。
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2. 「避難所にいる人々」について

  • 避難所で必要な物を出していって、身近で使っている物が震災の被害にあった人たちには本当に大切なものが多いんだと思った。(中略)他にも障碍者の方や耳が聞こえない人など、個人で必要とする物も多く、そして手に入りにくい物が必要な方もいるので、現在避難先の人たちで目や耳が見たり聞いたりすることのできない方たちはどうやって生活をしているのかが気になった。
  • カードのように体に障碍をもった人などがいるのも現実だから、大変だなと思った。一番安心するのは情報がちゃんと入ってくるということだなと改めてわかった。今何が起こっているのか知れたら、ちょっとでも安心できるだろうなと思った。
  • 被災地にはほんとにたくさんの人がいて、家族を失った人や小さい子どもや障碍者やおとしよりなど幅広い方がいて、本当に大変だなあと思いました。いろんな思いをもつ人がいるだろうし、やっぱり協力して助け合っていくことがいちばん大切じゃないかなって思います。被災地があったかい気持ちにつつまれるようなハートをつなぐメッセージ的なものは、ほんとに必要なんだなと思いました。みんなでエールを送って被災地が一日でも早く復興できるように願っていきたいです。
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3. 「人として大切なもの」

人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの

人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの

人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの  人として大切なもの

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4. シミュレーション「あなたなら避難するかしないか」

  • 写真を見ながらの授業で、今の原発の状況がよくわかった。自分がもしそういう立場(原発の近くに住んでいて避難するかしないかを決断しなければならない立場)になったとしたら、家族みんなで逃げたいと思う。友達と別れるのは辛いかもしれないけれど、一生あえなくなるわけじゃないので、避難したい。
  • 避難したにしろ、避難先でも問題は山積みだ。職、住まい、いじめ、親も子も悩まされるだらけで、一概に「こっちに決める」というのは難しい。しかしどの道決めなければいけないのが辛い。
  • 私のいたグループに配られたのは、津波で家や車をなくして、母親がまだみつからない家族のケースでした。私がもしその立場になったら、子どもは絶対避難させるし、夫も子どもを守るのと仕事を見つけてもらうために避難してもらって、私は(残って)母を探します。
  • (中3生)知っているようで、初めて知った事がたくさんあった。こうして考えてみると、警戒区域にいる人はすっごいなやんでいたんだなと思った。福島の人々が転校とかしたら、いじめとか、ナンバープレートなどを傷つけられたりするのは、本当にイヤダ。
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5. 原発事故について

  • 被災した人たちの暮らし、原発のすごさ、おそろしさ、いろいろと知ることができました。高い放射線量がいろいろなところで検出され、特に子どもがいる人たちは子どもが心配だし、逃げたいだろうと思いました。家が警戒区域の人は袋一枚分しか物を持ち出せなかったり、津波にあわず家が大丈夫な人も原発のせいで避難しなくてはいけなかったり、すごく心配になりました。家にも帰りたくても帰れなくて、ものも制限され、不便で嫌だろうなと心から思いました。
  • ニュースでよく「原発」についてしているのを見て、「ああ福島の人たちはすごくすごく不安だろうな」と見るたびに思います。私は岡山だから大丈夫。心配することはないと正直、思っていました。でも同じ国でこんなに恐い出来事が起きてるなんて…と考えると、とても他人事とは思えなくなりました。そんな危険に立ち向かっている作業員さんたちは、本当にすごいなと思いました。作業員さんたちはもちろん、その人の家族や友人もすごくすごく不安だと思います。みんなのために危険に立ち向かっていくその姿はまさに勇者だと思います。絶対に無事でいてほしい。
  • 作業員の方の被曝はものすごく辛いです。今日の朝のニュースで新たに6人被曝と放送していました。とても悲しいニュースです。海水から放射性濃度基準値の1850倍も検出って、もうケタが大きすぎてどれだけすごいのか想像もできません。62万倍のセシウム134、43万倍のセシウム137ってもう何? って感じです。私はまず島国に原子力発電所を作ることから間違えていると思います。もし爆発しても国外に日本国民全員は逃げられません。
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6. エネルギー問題について

「小型原子炉 自宅近辺に埋めさせるか否か」
講義1 YES 1 / NO 12
講義2 YES 5 / NO 20
講義3 YES 9 / NO 15

  • 地球温暖化がひどくなれば沈む島とか出てくるし、国同士の戦争が始まる可能性もあっていいことがない。地球温暖化を解決するには、一人一人の意識も大切だが、国がらみで政策を作っていかなければならない。(中略)原子力発電にあまり頼っていたらダメだということが今回の津波でわかった。もし設置したいならたくさんの専門家の人たちが重箱のすみをつつくように質問攻めにして、それで安全性が証明されるのであれば、設置してもいいかもしれない。
  • 安全はもちろんですが、やっぱり今までどおりの安定したエネルギーを供給してほしいです。安全第一は確かに正しいですが、じゃあその安全を重視した分のエネルギーはどうするのでしょうか。今までバカみたいにエネルギーを使ってきた人たちは、急にものすごく節電する生活なんて無理だと思う。もっと現実を見るべきだと思います。
  • とにかく原発をこれ以上増やすのはやめてほしい!! 原発に依存するのはよくないと思う。でも、安定して電力を供給できるのは原発だから、原発を減らしつつ、再生可能なエネルギーを育てていくべき。一面的に物事を考えるのではなく、立体的に物事を考えなければならないと思う。

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