DEAR 開発教育協会

english site

震災からはじまる学び

大阪|高校|政治経済

実践者 初芝立命館高等学校 北宏志先生
科目 3学年「政治経済」(3単位)
日時 2011年6月中旬~下旬
テーマ グローバル・エクスプレス メディア そのほか
教材 高等学校 政治・経済(数研出版)、「生存権 復興への一歩」(2011.5.2朝日新聞)
副教材 「週間ニュース深読み」(2011.6.18NHK総合)
現代用語の基礎知識(自由国民社)
日本赤十字社ホームページ
「義援金配分なぜこれほど遅い 3ヶ月たって総額の15%だけ」(2011.6.10J-CASTニュース)

ねらい:日本における「セーフティネット」のあり方を考える

東日本大震災を受けわが国の政治経済、被害に遭われた人々は大きな打撃を受けた。 生徒たちに"当事者意識"を持って考えさせるとともに、発生確率が30年以内で60~70%、50年以内で90%程度以上とされる、南海・東南海地震について考えるきっかけづくりの場とする。

形式

机の形をコの字型にして意見交換をしやすくしたり、グループ形式での討議を取り入れ、教員からの一方通行にならないよう配慮した。

展開

1限目 「社会権」(生存権・教育を受ける権利・労働三権)について内容整理

2限目
発問1 「あなたは東日本大震災に対しいくら募金しましたか?」
→ グループごとに考えさせ、クラス全体の募金額の概算を出す

発問2 「あなたはこのクラス全体の募金額を多いと思いますか、少ないと思いますか?」

  • 日本全体でどのくらいの募金が集まっているか、日本赤十字社のホームページで確認。
  • 「赤十字」とはどんな団体でどのような活動をしているか確認
  • 「週間ニュース深読み」(NHK総合 2011.6.18)、「義援金配分なぜこれほど遅い3ヶ月たって総額の15%だけ」(2011.6.10 J-CASTニュース)
    → ともに被災地での義援金の配分が遅れているニュースを見る。
  • 義援金が、生徒たちの手元から被災者の手にどのようにして渡るのかを確認。スピードよりも公平性を重視した配分方法、事務処理をおこなう自治体の職員不足。
    → この問題の解決策(自分、被災者、市町村長、事務処理をおこなう職員の立場を考えながら)をグループでの討議をふまえつつ、個別にノートに記述。

3限目

  • 現代用語の基礎知識(自由国民社)を利用し「セーフティネット」「無縁社会」について考える。
    → あわせてワーキングプアや派遣切り、雇い止めについても簡単に説明。
  • 「生存権 復興への一歩」(2011.5.2 朝日新聞)を使用し、被災者の生活について考える。
  • <発問1>日本のセーフティネット(震災の対応なども含めて)についてどう思うか?
  • <発問2>自分がもし被災者であったら、国や地方自治体に対しどう感じるか?
  • 「そもそもの国や地方自治体は、どこまでを担うべきなのか?」をグループ討議をし、各グループの代表から発表し、意見を共有。

ページトップへ

生徒の声

2限目の感想

  • 政府が被災者のことを考えているとは思うが、もう少し被災者の本音に耳を傾けたらいいと思う。政府と自治体の連携がスムーズに進めばいいと思う。密なやりとりや協力が今以上に必要だと思う。
  • まず、一定の金額を被災者全員に配布し、それから個々に合った義援金を割り当てるといいと思う。
  • 被災者の中には義援金の配分が遅れてもいいと感じている人がいると思う。なぜなら、配分方 法について厳密に考えることによって被害が大きかった人や小さかった人に公平に義援金を配分 することができるので被害が大きかった人はむしろ、より時間をかけて配分することを望んでい る人もいるはず。現在の方法が一番いいと思う。
  • マスメディアは夏の電力不足のことばかりに目がいっていて、被災者が何を必要としているの かや現状をもっと伝える必要があると思う。震災の義援金や手当てだけでなく、働く場所も用意 しないと被災地でいつまでも悪循環が続いてしまう。政府は多様な視点で震災をみなければいけ ないのではないか。
  • せっかくの義援金が被災者の手に渡らないのでは意味がないと思う。
  • 分配の遅れではなく、分配の準備を慎重にしているととらえるべきである。

3限目の感想

  • 教育水準があがると、よりよい経済発展は期待できると思う。
  • 政府、自治体、民間が協力し連携することによってデメリットを補完できると感じた。
  • セーフティネットは我々国民のための政策であるので、その対応についてはしっかりと状況を 把握した上で取り組むべきである。

全体の感想

  • 行政と民間が協力(差別化)を図り、スピーディに復興していくべきである。
  • 被災者の精神的なケアはかかせない。衣食住のうち、特に"住"については行政が責任を持っ て担うべきである。
  • 消費税を上げてでも「大きな政府」を目指すべきである。
  • 税金を上げて福祉の充実を。しかし、生活必需品については税率を上げない(ぜいたく品はその分上げる)。
  • 何事も慎重に行なうことは大切であるが、遅れたり支援を待っている人を困らせることはいけ ない。

 高校での実践一覧へ戻る
 「震災からはじまる学び」トップページへ戻る

ページトップへ