DEAR 開発教育協会

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震災からはじまる学び

<岩手|高校ユネスコ研究大会 第4分科会 世界の福祉> 実践レポート

実践者 いわて国際理解教育研究会 藤澤義栄
実践の場 高校ユネスコ研究大会 第4分科会 世界の福祉(会場:岩手山青少年交流の家)
対象 岩手県内の高校生
日時 2012年1月20日~21日
テーマ ボランティア・協力 グローバル・エクスプレス
教材 グローバル・エクスプレス『東日本大震災~世界からの援助』(DEAR)
スタンドアップ・テイクアクション・キャンペーン2011『授業の手引き』
準備するもの 地図帳
事前学習 幸せを表すイラストや文章をA4版用紙1枚にまとめておく

ねらい

世界の福祉ということで人間の幸福を成し遂げるために、どのような活動が自分たちにできるのかを考える研修を企画したものである。そこで、今回は10月17日の「世界貧困デー」で世界的に実施されている「スタンドアップ・テイクアクション・キャンペーン(以下、SUTA)」を紹介し、その活動を参加者で実践する活動を行った。
進行は、SUTAの教材として提示されている開発教育協会(DEAR)の教材を元に、支援の世界地図作りやいくつかの作業シート、追加資料を加えて実践した。

展開1 東日本大震災の支援国について考える

出会い(今まで知らなかった参加者どうしの心ほぐし、ウォーミングアップ)

  • 円形に並べたイスに自由に座る。
  • 誕生日順に席を換えて、自己紹介する。
    「名前 誕生日 出身校 わたしの考える幸せ(参加者の事前の取り組み)」
  • 順番にグループを割り当て、作業グループを決める。
  • グループで係分担する:すすめる人/書く人/はこぶ人/はかる人/ほめる人

(1)国に色をぬりましょう

6枚に切り分けた世界地図を6グループにそれぞれ配付し、東日本大震災に対しての支援表明国・地域163カ国の国名のリストを読んで、地図の当てはまる国に色をぬる。
(資料)支援国リスト出典:外務省ホームページ「東日本大震災 各国・地域等からの緊急支援」

(2)地図を合わせましょう。

6枚の地図を貼り合わせて、一枚の世界地図にする。

(3)色をぬった国の紹介をする。

Q 「この国の共通点は何でしょう」
A (東日本大震災で日本に支援をしてくれた国)

(4)震災被災国による支援の紹介をする。

Q 「この中に、ハイチ、インドネシア、中国はありますか?この国の共通点は何でしょう?」
A (日本と同じように地震の被害を受けた国)

(5)エッセイを読む

グローバル・エクスプレス『東日本大震災~世界からの援助』収録の甲斐和歌子さん(ジョイセフ)のお話を読む。

(6)アフガニスタンについて知る

基礎データを見ながら、ソ連侵攻、干ばつ、アメリカの報復攻撃などのポイントをおさえる。

(7)感想を共有する

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展開2 世界の福祉について考える

(1)人が生きるために必要なことを6つ考えましょう。

高校ユネスコ研究大会 第4分科会 世界の福祉

(2)生きるために必要なことが、アフガニスタンと被災地で共通していることを確認する。

(3)国連のミレニアム開発目標を紹介する。

アフガニスタン及び東日本大震災の被災地で共通する課題を2000年に国連で目標化していた事実を紹介し、必ずしも達成に向かっていない現状をふりかえる。今自分たちはどうすればよいのか、を問いかけ、問題意識の喚起を促した。

(4)アドボカシーについて知る。

行動目標のように自分たちでできることを考えるほかに、政治家などのリーダーに提言する活動であるアドボカシー活動について紹介する。

(5)スタンドアップを紹介して、自分たちが取り組みたいことを考えさせる。

アドボカシーとしてのスタンドアップを紹介し、参加をよびかけ、同意を得た(パソコンの画面でスタンドアップのHP及び動画を見せて理解を深めてもらった)。スタンドアップの手順を説明し、実践する。自分の取り組みをシートに書き、宣誓文を読んで、シートを持って立ち上がる。 ここで、前日から参加されているユネスコ平和芸術家バイオリニスト二村英仁さんも参加して下さった。彼の宣言は、バイオリンを引き続けるということだった。その後、全員で宣誓文を読み、スタンドアップをした。

(6)ふりかえりをする。全体会で発表する。

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参加者の声

高校ユネスコ研究大会 第4分科会 世界の福祉 わたしが学んだことは、
・163カ国もの国が震災の支援を申し出てくれたこと。
・世界で多くのボランティア活動をやっている人がいること。

わたしが感じたことは、
・人々の支え合いやお互いの理解。
・貧困で学校に行けない子どもたちもたくさんいるから、私たちは学校生活を大切にするべきだと 感じた。

わたしが疑問に思ったことは、
・自分自身や周りを傷つけるだけの紛争をなぜやる必要があるのか。
・どうやって貧困国に寄付をすればよいのか。

わたしがこれからやってみたいことは、
・スタンドアップ・テイクアクションを周りの人にもっとすすめる。姉妹校にも伝えたい。
・これからは募金活動をやり、物を大切にして、ボランティアをたくさんしたい。

ファシリテータから

これまでは支援する立場としての「世界の福祉」を学ぶ分科会であったが、今回は、東日本大 震災を経て支援される立場としての「世界の福祉」も学ぶ研修となった。途上国の深刻な状況と震災被災の状況の重なりは、世界と日本を同時に見つめることにつながり、意義深い研修となった。教材で取り上げたStand up Take actionの取り組みは、誰もが参加できる活動であり、次世代を担う高校生へ紹介できたことで、生徒会やサークルでの実施するという感想を得ることができた。このように、机上の学習だけでなく、実践化への道筋の一つを示すことが、この分科会を通じてできたと思われる。参加者の高校生は、素直な研修態度で熱心に活動に参加していた。彼らの誠実さに感謝したい。

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