すべての人が生きやすい社会へ 教育をジェンダー視点で見直すヒント集
学校の授業、講座や学習プログラム、あるいは学校や組織そのものに、ジェンダー平等の視点があるでしょうか?ジェンダー平等な場づくりや実践をしたいけど、どうしたらよいか困っていませんか?
このハンドブックには、「女性/男性は、こうあるべき」という自分の無意識にあるジェンダー規範に気づいたり、姿勢や態度を振り返ったりしたうえで、ジェンダー平等に向かう学習プログラムを進めるためのヒントが掲載されています。このハンドブックの作成と発行を通じて、あらゆる教育の現場、さらには社会全体でジェンダー平等に向かう動きを後押ししたいと思います!
概要
・発行:開発教育協会
・企画・編集 開発教育とジェンダー研究会
・助成:公益財団法人市川房枝記念会女性と政治センター「市川房枝女性の政治参画基金」、 特定非営利活動法人アーユス仏教国際協力ネットワーク
・2024年3月、A4判72頁
・一般価格:¥2,200(税込)/図書館価格¥4,400(税込)
・会員価格:¥1,760(税込)
・対象:実践者向け(ワークは小学生以上)
ねらい
- 教育に関わる教師・指導者が自身のジェンダーバイアスに気づき、学校文化や学習環境、カリキュラム、教材、問いかけの言葉などをジェンダーの視点から見直すこと
- 学校の授業や講座、学習プログラムなどにおいて、ジェンダー平等に向かう教育をすすめるヒントを得ること
- 一人の市民・社会の構成員として、ジェンダーの視点を活かして、組織や地域・コミュニティのあり方を見直すこと
対象
本冊子は、学校や団体、企業などの組織で、教師や指導者として教育に関わる方(以下、教師・指導者)で、以下の事項に関心をお持ちの方を対象としています。
- 普段の教育実践に、どのようなジェンダーバイアスがあるか確認したい
- まずは日々の教育からできることに取り組みたい
- ジェンダー不平等な現状を変えるために、ジェンダー平等な社会について学びたい・考えてみたい
教師・指導者自身のニーズや、学習者の学習状況や環境などに応じて活用してください。
構成
巻頭では、開発教育・ESDとジェンダーについて、そしてグローバルな視点におけるジェンダー問題の取り組みや、現状、課題などについて、解説をまとめています。
第1章
教師・指導者が自身の持つジェンダーバイアスに気づき、普段の教育活動・実践をジェンダー視点から見直す「6つのチェックリスト」と「9つのヒント」を収めています。
第2章
学習者向けと教師・指導者向けに分けて、7つの参加型学習のワークを収録しています。
第3章
国内外の団体によるアクティビティを紹介しています。
もくじ
■第1章 ジェンダー平等に向かう教育のためのチェックリスト
STEP1.教育者としての自分の役割と認識を確認する
チェックリスト1 カリキュラム・教材づくりは「権力を行使する」ことであると自覚する
チェックリスト2 ジェンダーに関する自分の認識や理解度を確認する
チェックリスト3 実践する地域の社会規範と状況を確認する
ヒント1 教師・指導者が持つ権力について自覚する
ヒント2 「知らなかった」は恥ずかしくない
ヒント3 マジョリティ、マイノリティとジェンダー
STEP2.ジェンダー平等に向けたプログラムを組み立てる
チェックリスト4 プログラムの全体構成は、ジェンダー平等が意識されている
チェックリスト5 使う教材は、ジェンダー平等が意識されているか
ヒント4 開発教育・ESDとの関係からーチャンスはいくらでもある
ヒント5 日常にある隠れたカリキュラム
ヒント6 ロールプレイの注意
ヒント7 イラストや写真選びは慎重に
STEP3.ジェンダー平等に向けた教育を実践する
チェックリスト6 態度や言動は、ジェンダー平等が意識されているか
ヒント8 差別的な発言や嘲笑が起きたら、どうする?
ヒント9 教え・教えられる関係から、共に学ぶ関係へ
■第2章 ジェンダー平等に向かう教育のための参加型学習
学習者向け
ワーク1 「女」「男」を定義する
ワーク2 性の多様性
ワーク3 どうしてあってもいい?あってはいけない??ちがいの分析
ワーク4 ジェンダーギャップ指標で4象限分析
教師・指導者向け
ワーク5 あおいの話- アンコンシャスバイアスに気づく
ワーク6 学校の中のジェンダーバイアス
ワーク7 実践をふりかえる
■第3章 国内外の団体によるアクティビティ紹介
『ジェンダー・トランスフォーマティブ・プログラムガイドブック』 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
「わたしの声とみんなの声」「me and them」プログラム 公益社団法人ガールスカウト日本連盟
『国際女性デー:9歳から14歳向けの指導書』Oxfam Great Britain
教材内容の紹介
チェックリストを使うと・・・
・教師・指導者が、ジェンダーに関する自分自身の認識や理解度を確認することができます
・プログラムの構成や教材の内容をジェンダーの視点から確認することができます
・教育実践における態度や言動をジェンダーの視点から確認することができます
学習者向けのワークのポイント
無意識に捉えている「女」「男」の像や、性の多様性について理解を深め、気づきを促すワークを複数収録。ワークを通じて、 ジェンダーに関わる問題について分析し、世の中にある様々な意見を整理したうえで、自分なりの意見を考えていきます。
各ワークには、進め方や解説のヒントを収録。教材購入者は、授業や学習の場で使えるワークシートや画像をダウンロードいただけます。
教師・指導者向けのワークのポイント
誰もが無意識に持っている固定観念や偏見に気づき、可視化していくプロセスを参加型のワークにしています。 教師研修や指導者同士、あるいは組織やコミュニティで気づきをうながしたい場面にぜひご活用ください。
また、ワーク6では特に「学校の中のジェンダーバイアス」に意識的に気づくワークを収録しています。
国内外の団体によるアクティビティ紹介
『ジェンダー・トランスフォーマティブ・プログラムガイドブック』
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン
ジェンダー平等達成と社会変革を目指したプログラムづくりのガイドブックで、国際協力NGOが、途上国での開発プロジェクトを実施する際に活用してもらうために作成。日本でのジェンダー平等に向けた教育にも参考になり、概念、実践例もヒントにしつつ、学習者にあった形でアクティビティを実践ができます。ここではアクティビティの一部や概要などを紹介しています。
「わたしの声とみんなの声」「me and them」プログラム
公益社団法人ガールスカウト日本連盟
少女たちが自分の可能性を信じ、責任ある市民として行動ができるよう成長の場を提供し続けているガールスカウトによるプログラム概要の紹介。「女性が可能性を最大限に発揮できる社会環境を作り上げていく」ために少女と女性の可能性を伸ばすことを妨げる問題に対して声をあげ、社会に変化をもたらすための活用できるプログラムのヒントととなります。
『国際女性デー:9歳から14歳向けの指導書』
(International Women’s Day – A teaching resource for aged 9 – 14) Oxfam Great Britain
国際女性デーに合わせてOxfam GBにより作成された指導書を許可を得て日本語訳したものを掲載。国際女性デー当日以外でも使用可能な教材で、ジェンダー平等についての(1)基本的な知識、(2)批判的思考力、(3)行動力、の向上を目的としています。ここでは特に日本でのジェンダー平等に向けた教育にも参考になるものを5つ紹介しています。
ワークシート資料
ダウンロードには教材(6頁)に掲載のパスワードが必要です。
ワークシート1~4(6枚・PDFフォーマット)
ワーク4 画像(2点・PDFフォーマット)
実践レポート
d-lab分科会の実施(2023年8月)
d-lab(第41回開発教育全国研究集会)の分科会にて、ジェンダー視点で開発教育を実践する際の場づくり・プログラム構成・教材・声かけなどでの具体的な確認ポイントについて考えました。
東京ウィメンズプラザフォーラムでのワークショップ(2023年 11月)
誰もが無意識に持っているジェンダーバイアスに気づき、ワークを通してジェンダー平等に向かうための教育について考えました。
https://dearstaff.blogspot.com/2023/11/blog-post.html
ご注文方法
DEARの本は直販のみです。書店などには置いておりませんので(取次を通していません)、 DEARまでウェブ、ファクス、お電話にて直接ご注文ください。 詳しくはこちらのページをご参照ください。
- DEAR事務所(東京都文京区)で直接ご購入いただくことも可能です。来所の際は事前にご連絡ください。
教材の著作権について
- 教材・書籍等の著作権は開発教育協会に帰属します。著作権法上の例外を除いて、教材・書籍等の全部または一部を無断で複製したり、転写・引用・入力などしないでください。
※著作物が自由に使える場合(文化庁)http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html - ワークシート等の複写による利用は、学術的な調査研究、「非営利」の教育・学習活動に限ります。例えば、学校の先生が、授業で使うためにコピーを作って児童や生徒に配布することは「著作権法上の例外」なので、問題ありません。
- 教材・書籍等を利用して、非営利目的の講義や参加型学習プログラムを実施する際には、事前の広報資料や当日の配付資料、事後のレポート等に、使用する著作物の著作権者が当会または、制作団体であることを明示してください。印刷物やウェブページには、例えば、「当研修/講座で使用する教材/テキストは、開発教育協会(DEAR)発行の教材です。詳細はhttps://www.dear.or.jp/を参照してください。」等の表記をしてください。