DEAR 開発教育協会

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開発教育のファシリテーション8つのスキル

1. 聴く

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
相手の伝えようとしている意図や意味を受け止め、かき消される声を取り出す。
解説傾聴やパラフレーズを使って 「聴く」ことで学習者が安心して話すこ とができるようにする。相手の枠組みで聴くことによって自分の理 解とのズレを確認し相互理解を深める。相手の気持ちや感情に焦点 をあてることで、その背景にある価値観や考え方に気づく。
根拠になる概念学習者主体
声なき声を聴く
共感的理解

2. 観る(観察する)

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
学習者のコミュニケーションの癖や思考の枠組みの傾向を把握する。
解説学習者の学習プロセスへの参加の仕方をよく観て、コミュニケーションの癖や思考の枠組みの傾向を把握し、グループ内で相互にどのように影響を与え合っているかを観る。そしてそれをフィードバッ クするところまでを行う。 複数のグループでのディスカッションの場合、記録係として置くこ ともできる。
根拠になる概念参加・参画
市民参加
社会参加
参加型開発
学びへの参加

3. 問う

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
社会課題・開発問題を多方面から検証し、既存の社会通念や自分の考え方、価値観を批判的に吟味する。
解説開発教育の出発点は、開発のあり方を問うことである。開発問題や社会のさまざまな課題を批判的に問い、課題解決に向けて合意形成を行っていく過程で、「さまざまな意見があっていいよね」では終わらせない、私たちの「ありたい未来」を実現させるための学びを深めるために問う。何のために問うているかを問うことは大切であ る。
根拠になる概念 開発観(人間開発・社会開発・ 内発的発展・持続可能な開発)
公正・共生
構造的理解
相手の立場を考える
批判的思考
社会変革
自己変容

4. 焦点をあてる

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
社会課題・開発問題と自分とのつながりを実感するポ イントに焦点をあてて、学びを深める契機とする。
解説学習者の発言で、どこに意識を向け注目するかは難しいスキルであ るが、開発教育では、開発問題をテーマへの知的理解にとどまらず、自分とのつながりを感じることで自分事の問題としていくことが、学びの中で重要だと考えている。
根拠になる概念 テーマを学ぶことに終わらず自分ごととして捉える

5.「想定外」を学習素材にする

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
ファシリテーションの最中に想定していなかった意見が出てきたら、新たな学びの機会と捉えて学習者と一 緒に考えてみる 。
解説学習活動の準備の中で、あるいはこれまでのファシリテーション経 験の中で、想定していなかった意見が学習者から出てきた場合は、 学習の良い契機だと捉え、学習活動の予定を調整して一緒に考える ことで学びの可能性を開くことができる。
多くの場合反対意見であ ったり、枠組みを問い直すような根本的な疑問であったりするの で、なぜそう思うのか、他の人はどう思うか、など皆で吟味する。
根拠になる概念 学習者主体
あらゆる機会を学びにつなげる

6. 手助けする

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
意見を整理し語ることを手助けする。
解説発言の意図や背景を質問したり、言い換えなどで学習者が自分の考えを整理するプロセスを手助けする。
学習者同士が、お互いを尊重し合い、対話と議論ができるように支 援する 。
根拠になる概念 援助・支援

7.エンパワーする

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
もっと学びたい、参加したいと思える 。
解説「何かしたいがわからない」という段階から、知り、考え、学ぶこ とを通して「もっと知りたい」「何かやってみたい」「何かできるかもしれない」という気持ちが持てるように学びを力につなげていく 。
根拠になる概念 エンパワーメント
自己肯定感
自己効力感
アクション

8. ふりかえる(省察)

学習者のどんな学びを
引き出すのか?
学習者が気づきを通して価値観がゆさぶられた体験を 言葉化する 。
解説学習活動のプロセスでの気づき、学びをふりかえり、学びの意味を吟味することを促す。学びの経験を言葉化することを助ける。
根拠になる概念 省察
自己変容

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