DEAR 開発教育協会

参加型学習 tags

もっと詳しく!-開発教育のファシリテーション

9つの要素と8つのスキル

ワークショップの進行をファシリテーションといい、進行する人をファシリテーターといいます。

開発教育のファシリテーションに不可欠な9つの要素と、それを実現するための8つのスキルをまとめました(※)。
9つの要素と8つのスキルは切り離せません。スキルを上手に使うことが大切なのではなく、目的や状況に応じてスキルを使いこなすことが大切です
※「開発教育ファシリテーション研究会(2019-2023)」の研究成果です。

開発教育のファシリテーション 9つの要素

ファシリテーションを支える理念
要素1 公正・共生を理念とする持続可能な社会の実現
要素2 わたしが変わり社会を変える~自己変容と社会変革
要素3 人間の尊厳を守り、多様性を理解・尊重する
学習者へ働きかける視点
要素4 グローバル・ローカルの開発問題を構造的に理解する
要素5 価値観や思考の枠組みを問い直し、偏見・固定観念に気づく
要素6 答えのある学びから答えをつくる学びへの転換
要素7 開発問題とわたしたちのつながりに気づき、社会参加をする
要素8 学習者同士が互いに学び合い、議論する
共に学びを創る人として
要素9 ファシリテーター自身が学び続ける姿勢を持ち、学習者とともに学びを創る
PDF版

開発教育のファシリテーション 8つのスキル

1聴く
2観る(観察する)
3問う
4焦点をあてる
5 「想定外」を学習素材にする
6手助けする
7エンパワーする
8ふりかえる

ファシリテーション講座

「私らしさ」を大切にしたファシリテーションを見つけるために

開発教育ファシリテーション講座は、講座参加者とともに「開発教育ファシリテーションとは?」を問うアクション・リサーチとしての講座として、ファシリテーション研究会が企画運営を行い、2020年度から2022年度まで、3期にわたって開講されました。

講座の目的 

この講座は、ファシリテーションのHow Toを学ぶためではなく、「自分らしさを発揮するファシリテーション」を参加者自身が自らのファシリテーションをふりかえることを通して見出していくことを目的としています。さらに、開発教育のファシリテーションとは何か?という問いをたて、参加者とともに講座を通して考えます。

講座の概要

講座は毎年、秋(9月〜11月)に、週1回、全6回の内容で実施しました。第3期講座を例にとってみると、第1回「私とファシリテーション」、第2回「コミュニケーションの基本1 感情やニーズを把握し(傾聴)、開発教育観を聴いてみよう」、第3回「コミュニケーションの基本2 開発問題に合意形成は欠かせない!」、第4回「『問い』の視点を深めよう」、第5回「ファシリテーションを分析して実践に活かそう」、第6回「自分のファシリテーションをふりかえる~よりよい実践を創るために」という内容です。中間には仲間づくりのための懇親会、最終回に修了式を行いました。

開催報告

ブログ「DEARな日々~教育NGOスタッフの日記」にレポートを掲載しています。講座の様子をご覧いただけます。

クリックで2022年度の講座ページを開きます

ファシリテーション研究会(2019-2023)

開発教育のファシリテーションは、普通のファシリテーションとどう違うのか?

研究会の目的

開発教育ファシリテーション研究会は、2019年度にファシリテーション講座の開講を目指して協議している中で生まれました。研究会メンバーの中から、①ファシリテーションとはそもそも何か? ②開発教育のファシリテーションと通常使われる「ファシリテーション」という言葉では何が同じで何が違うのか? という大きな問いが生まれ、研究会が立ち上がり、現在に至るまで活動をしています。

参加者へのインタビュー調査への実施~開発教育のファシリテーションとは?をめぐって~

これらの問いに向けて研究会では、実践しながら研究・探究するというアクション・リサーチのスタイルをとり、講座内容作り、企画運営、講座後には参加者へのインタビューを行う中で、さまざまな意見を聞き取りました。1期(2020年)、2期(2022年)、3期(2023年)の各講座終了後には、参加者へのインタビューを実施し、講座参加の動機、受講前後の変化、そして「開発教育のファシリテーションとは何だと思うか?」というファシリテーション観、開発教育観などについて、参加者の語りを深く聞きました。その成果が、前述した開発教育のファシリテーションの9要素と8つのスキルです。

活動実績

  • 2019年度~2023年10月まで、全38回の研究会を開催しています。

活動報告 

d-lab2023全体会の様子