ワークショップ版・世界がもし100人の村だったら[第7版]
新版『ワークショップ版・世界がもし100人の村だったら』【第7版】が3月24日(月)より発売となりました!
第7版では、最新のデータへの更新だけでなく、学習者用とファシリテーター用のふりかえりを追加、実践のヒントになる事例を掲載。ワークショップで使えるスライドもご用意し、より学びを深めていただける内容となっております。
概要
人気No.1の小学生から使える大人気のワークショップ教材
第7版発行! 最新のデータへの更新、ふりかえりシートや実践のヒントになる事例を掲載。ワークショップで使えるスライドもご用意しました。より使いやすく、学びを深めていただける内容となっております。
- 発行:開発教育協会
- 第7版2025.3(初版2003.3) ※第6版の販売は終了しました
- B5判71頁(すすめ方、役割カード、ワークシート等を収録)
- 一般価格:¥3,300(税込)/図書館価格¥6,600(税込)
- 会員価格:¥2,640(税込)
- 対象:小学生以上
- この教材は教材総合カタログ(ヒルマ/スクラボ)に掲載されています
世界の「多様性」と「貧富の差」を体験的に学ぶワークショップ教材
世界には約82億もの人がいますが、それを100人に縮めてみたらどうなるでしょう?
メールメッセージで広がった「世界がもし100人の村だったら」を使い、実際に身体を使いながら世界の格差や多様性を体感するこの教材は、2003年の初版発行以来、発行部数は2万冊を超え、全国の小中学校、大学などで活用されています。
冊子には、ワークショップの進め方、その後の展開の方法のほか、ワークショップに使用する「役割カード」、「100人村」のメッセージなどを収めています。



国際人権教材アウォード受賞!
この教材は、(財)アジア太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)が実施した「国際人権教材アウォード2004」を受賞しました。
第7版について
このたびの第7版では、全ページにわたり最新のデータに更新。「100人村」のシミュレーションを実施し、ふりかえり、さらなる学びを展開することができる構成にしました。ワークショップでそのままつかえるスライドも準備しました。実践事例として、教員研修の場面での活用、テーマ探究のための応用事例としても参考にしていただけます。第7版から新たに追加された箇所については「もくじ」をご確認ください。
※第6版をお持ちの方は、そのままご利用いただくことはできますが、データなどを確認しながら使用されることをお勧めします。
もくじ
※印の箇所は第7版(2025.3)でリニューアルしました。
※第7版では全ページにわたり最新のデータに更新しています。
はじめに
使用にあたって-「世界の現状がわかった」に終わらせないために
第1部 ワークショップ編
1.アイスブレーキング
2.シミュレーション
シミュレーションの概要
1)人口 世界の人口はどう変化している?
2)年齢 世界は今、高齢化?若年化?
3)地域 大陸ごとに分かれてみよう!
4)環境 大陸でつくられているものは?
5)言語 世界の言葉で「こんにちは」
6)識字 文字が読めないということ
7)格差 富を多く持っているのは誰?
3.「100人村」を読む&ディスカッション
4.ふりかえり
1)学習のふりかえり-学習者用(100人村の体験を気持ちからふりかえる)※新たに追加
2)実践のふりかえり-ファシリテーター用(気持ちから実践をふりかえる)
5.展開のためのアクティビティ
1)探究テーマを見つけるー100人村を体験したその後へ
<問いづくり>
2)原因・構造を考える
<コンパス分析>
<ウーリーシンキング:課題のつながりを見つめ直す>
3)未来を創る
<アクションプランをたてる>
<30年後の地球社会を描く>
第2部 実践事例編
- 教員研修「ESD学習のすすめかた」※リニューアル
- 企業研修で
- 過去・現在・未来の世界について考える※リニューアル
- 学習プログラムを作ってみよう(学校編、社会教育編)※リニューアル
第3部 資料編
- メッセージ「世界がもし100人の村だったらEDITION2008」
(出展:『世界がもし100人の村だったら 総集編』マガジンハウス、2008) - 役割カード一覧表 ※リニューアル
- 役割カードの見方 ※リニューアル
- 役割カード ※リニューアル
- 識字カード
- 「水」「薬」「毒」のラベル
- 世界の富のピラミッド(図) ※リニューアル
実践レポート・動画
教材をつかったワークショップの動画を観る
スライド資料
ダウンロードには教材(9頁)に掲載のパスワードが必要です。
スライド
適宜編集してご利用ください(Microsoft Power Pointフォーマット)。
教材内のシミュレーションを90分程度で実施する際のモデルとなる流れをスライドにしています。

実践レポートを読む
この教材を使ったワークショップの様子をご紹介します(スタッフブログ等への外部リンクです)。
- 中学教員対象(2023・稲城)稲城市立稲城第五中学校の教員研修にて、SDGsワークショップ
- 中学1年生対象(2023・世田谷)世田谷区立玉川中学校にてSDGsワークショップ「世界がもし100人の村だったら」
- 子ども対象(2019・川崎) ムヒカ大統領も登場!フリースペースえん「世界がもし100人の村だったら」ワークショップ
- 市民対象(2017冬・横浜) 小学生から年配の方まで参加したよこはま国際フォーラムで
- 親子対象(2016夏・茨木つくば) 小学校高学年の子どもたちと保護者向けのワークショップ
- 市民対象(2015・東京) 4回連続講座「食から地球をのぞいてみよう!」の中で
- NGOスタッフ対象(2015・ベトナム) アジア16か国の教育NGOのスタッフ研修で
- 教員・市民対象(2014夏・横浜) 横浜YMCAと共催で実施した入門講座でのワークショップ
- 親子対象(2013夏・東京) 小学生の子どもたちと保護者向けのワークショップ
- 教員・市民対象(2011春・東京) 震災後のチャリティ・ワークショップ その2
- 教員・市民対象(2011春・東京) 震災後のチャリティ・ワークショップ その1
- 保育園児対象(2010秋・東京) 保育園と保護者向けにアレンジしたバージョン
- 小学生6年生対象(2009夏・茨城) 子どもたちの感想をたくさん掲載しています
- 高校生対象(2009夏・名古屋) インターアクトクラブの85名の高校生バージョン
- 青少年団体対象(2009夏・韓国ソウル) リーダー養成研修バージョン

ご注文方法
DEARの本は直販のみです。書店などには置いておりませんので(取次を通していません)、 DEARまでウェブ、ファクス、お電話にて直接ご注文ください。 詳しくはこちらのページをご参照ください。


- DEAR事務所(東京都文京区)で直接ご購入いただくことも可能です。来所の際は事前にご連絡ください。
- 教材総合カタログ(ヒルマ/スクラボ/PLUS)で一部の教材をご注文いただけます。詳しくはこちらのページをご参照ください。
何人でやるのがいい?
しばしば「100人村のワークショップは、やっぱり100人でやった方がよいでしょうか?」というお問合せをいただくことがあります。100人規模でも実施できないことはありませんが、全くおすすめできません。
参加者が全体の様子を把握できない、全員が発言することができない、参加度が低くなる、といったことが理由です。ファシリテーターも、参加者をよく観察したり、つぶやきを拾ったりすることが難しくなります。結果、学習効果も低くなってしまいます。
また、人数が少なすぎても、教材のポイントである「多様性」を実感することができません。参加者の年齢や属性にもよりますが、最適な人数は、30名~40名程度だと思います。

きっかけは9.11
人口63 億人(2001 年当時)の世界を「100人の村」にみたてて、世界の現状をわかりやすく描いたメッセージは、2001年9月11日にアメリカ・ニューヨークで起こったテロ事件をきっかけに、多くの人の心をとらえました。
原典は、『成長の限界 ローマ・クラブ人類危機のレポート』(1972 年)の著者の一人であるドネラ・メドウズ氏による『村の現状報告(1000 人の村)』(1990年)です。それがインターネットを通じて広まる過程で、1000 人が100 人になったり、加筆や修正がなされ、『世界がもし100 人の村だったら』(マガジンハウス刊、池田香代子再話)にまとめられ、日本でベストセラーになりました。
この本のメッセージは、開発教育の中心的テーマである世界の多様性と格差の現状をわかりやすく伝えているものでした。このメッセージを体験型のワークショップにすることで、世界の現状をより深く体感的に理解できるのではないか、さらに次なる行動へと促すきっかけになるのではないか、との思いから、開発教育協会に集う有志により「100 人村」教材作成チームが結成されました。
その後約半年をかけて原案を作成し、1年をかけて全国各地で「お試しワークショップ」を行い、教材として完成させ、2003 年3 月に開発教育協会から初版が出されました。その後、版を重ね、今回第6 版を数えます。
100人村の再話者の池田香代子さんは、100 人村を出版した1 年後の2002 年に『やさしいことばで日本国憲法』(マガジンハウス)という本を出しています。その中で、「『100 人村』と『イマジン』(ジョン・レノン)の向こうに憲法を見た」と書いています。
国がなければそれを守るための戦争もない。近代国民国家という新しい共同体のあり方(わずかここ1、2世紀のことですが)が生まれ、国を守るために「交戦権」という固有の権利が生まれ、そして本気で殺しあう「新しい悲惨」が生み出された。私たちが本当に守りたいもの、守るべきものは何なのでしょうか。
「100 人村」のメッセージの背景には、『成長の限界』が提起している経済発展神話の崩壊があります。また、「100 人村」の対訳者であるダグラス・ラミスは、「村」という言葉を使うことで、相互扶助の倫理の働く場という意味づけをしています。最後の「踊りましょう」というくだりについては、「踊るという行為は、消費しない、買わない、資源を使い果たさない、汚染しない、誰も搾取しない」ライフスタイルの提案であると説明しています。
共に、持続可能な未来の地球社会を築いていくために、この教材がお役に立つことを願っています。
(「はじめに」より)
参考資料・関連図書
- 世界がもし100人の村だったら (池田香代子著 マガジンハウス 2001)
- 世界がもし100人の村だったら 総集編 (池田香代子著 マガジンハウス 2008)
- 日本がもし100人の村だったら (池上彰著 マガジンハウス 2009)
- 世界がもし100人の村だったら お金篇 たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち (池田香代子著 マガジンハウス 2017)
教材の著作権について
- 教材・書籍等の著作権は開発教育協会に帰属します。著作権法上の例外を除いて、教材・書籍等の全部または一部を無断で複製したり、転写・引用・入力などしないでください。
※著作物が自由に使える場合(文化庁)http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/chosakubutsu_jiyu.html - ワークシート等の複写による利用は、学術的な調査研究、「非営利」の教育・学習活動に限ります。例えば、学校の先生が、授業で使うためにコピーを作って児童や生徒に配布することは「著作権法上の例外」なので、問題ありません。
- 教材・書籍等を利用して、非営利目的の講義や参加型学習プログラムを実施する際には、事前の広報資料や当日の配付資料、事後のレポート等に、使用する著作物の著作権者が当会であることを明示してください。印刷物やウェブページには、例えば、「当研修/講座で使用する教材/テキストは、開発教育協会(DEAR)発行の教材です。詳細はhttp://www.dear.or.jp/を参照してください。」等の表記をしてください。